第1話あらすじ
順天府の長官・潘賓(はんひん)は山積する事件の審理に頭を抱え、推官・唐泛(とうはん)を呼び出す。すると唐泛は、いくつもの事件をいとも簡単に解決してしまう。帰途に就いた唐泛は、武安侯(ぶあんこう)の嫡男・鄭誠(ていせい)と口論になり騒ぎを起こす。その夜、潘賓に再度呼び出された唐泛は、妓楼で起きた殺人事件に鄭誠が巻き込まれたことを知らされる。一方、錦衣衛(きんいえい)・隋州(ずいしゅう)に皇太子の学友・韓早(かんそう)が失踪したとの連絡が入り、隋州もまた捜査を命じられていた。
第2話あらすじ
失踪した韓早の事件を捜査する隋州は、鄭誠と口論した唐泛を探るため身分を偽って接近するが、唐泛は隋州の正体を瞬時に見破ってしまう。そこへ明朝の特務機関・西廠(せいしょう)の汪植(おうしょく)も加わる。妓楼で謎の死を遂げた鄭誠の事件を捜査する唐泛が、韓早の事件に関係していると知った汪植は、唐泛を西廠で取り調べようとするが、隋州は強引に唐泛を北鎮撫司(ほくちんふし)へと連行する。実はそれが自分を守るためだったと知った唐泛は、隋州と組んで事件を追うことに…。
第3話あらすじ
北鎮撫司で唐泛と隋州が共に容疑者を尋問したところ、事件の鍵となる人物として林朝東(りんちょうとう)が捜査線上に浮上する。かつて回春堂の店主に連れられて鉄市を出入りしていた林は、やがて多くの闇取引にも手を染めるようになっていた。林朝東は、数日前に実行犯を雇い犯行に及んだだけでなく、通行証を不正に入手したことも判明する。一方、毒殺に使用された薬の正体を突き止めた汪植は、薬の本来の持ち主に恩を売るため、動き出していた。
第4話あらすじ
絶命した林朝東の前ですべてを自供した妓女・馮清姿(ふうせいし)は自害してしまう。事件の手がかりを失った唐泛は、上司である潘賓に林朝東を捕縛したと嘘の報告をして、真犯人をおびき出す計画を思いつく。その夜、隋州たちが待ち構える北鎮撫司の牢に襲撃者たちが現れる。騙されたと知った襲撃者が逃げ出す際に落としていった刀を拾うと、それは倭刀だった。汪植に頼んで海防文書を調べ始めた唐泛は、過去の記録に、ある人物の名前を見つける。
第5話あらすじ
唐泛が間借りしている大家の侍女・冬児(とうじ)が、自分は間もなく身売りされると唐泛に告げる。不憫に思った唐泛は冬児を慰め、必ず自分が身請けすると約束するが、大家の妻は身請け金を大幅に吊り上げてしまう。冬児の身請けどころか、間借りの部屋もなくした唐泛は、新居を探すと共にその費用も工面するはめになる。翌日、事情を知った隋州は、しばらくの間、自分の屋敷に仮住まいをするよう唐泛を誘い、唐泛は大喜びで隋州の屋敷に行くが…
第6話あらすじ
韓早を死に至らしめた東廠(とうしょう)の秘毒・弾刹(たんさつ)散の薬性と効果を確かめた結果、毒は貴妃から賜った緑豆汁に盛られていたと判明する。弾刹散を宮中に持ち込んだ太監の両親から、ある人物の名を聞き出した唐泛と隋州は、それを手がかりに文書を調べ始める。だが同じ頃、その情報を密かに入手した汪植は、いち早くその人物のもとを訪ねていた。結局、宮中内の秘事として事件が伏せられることになり、汪植と隋州は、それぞれ新たな任地へと赴くことに。
第7話あらすじ
任務のため、吉安(きつあん)府へ赴いた隋州は、知府・黄景隆(こうけいりゅう)に会うなり、公正かつ厳格に事件を審理するその姿に深い感銘を覚える。獄中死の調査を進める隋州は、正義を守ろうとする黄景隆の姿勢にさらに敬服していく。だが、一見して平穏に見える吉安府が、実際は黄景隆の厳しすぎる刑罰の上に成り立っていることに隋州は気づいていく。黄景隆に都への同行を申し出る隋州だったが、出発の日、一行の前に現れた黄景隆は驚きの行動に出る。
第8話あらすじ
隋州から届いた密書の暗号を解読し、彼の危機を察知した唐泛は、隋州の部下・薛凌(せつりょう)と共に吉安へ赴き、そこで偶然、汪植に瓜二つの男を見かける。隋州が黄景隆によって牢に入れられていると判断した唐泛は、無事を確かめるために自分も投獄されるように仕向けるが…。一方、成化帝の命を受けた汪植は、馬市を再開するため遼東を訪れるが、数百頭の馬が何者かに盗まれたことをきっかけに各部族が乱闘を始めてしまい、その対応に苦慮していた。
第9話あらすじ
唐泛は汪植を訪ねて遼東の地に赴き、隋州の救出を訴える。盗まれた馬の行方を探すことを条件にその要請に応じるとういう汪植に対し、唐泛は仕方なくそれを受け入れることに。一方、隋州の身を案じた汪植は、密かに部下の賈逵(かき)を吉安に派遣していた。隋州を懐柔しようとして失敗に終わった知府・黄景隆は、部下に命じて隋州の正体を他の罪人たちに暴露する。隋州が役人だと知った囚人たちは、たちまち怒りの矛先を隋州に向け…。
第10話あらすじ
隋州を救うため、船で吉安へと急ぐ唐泛たち。その頃、黄景隆は隋州を抹殺するため牢獄に放火するが、隋州は囚人たちと力を合わせて脱出を試みていた。一方、下船した唐泛たちは、黄景隆の上官らによる合同審理を計画する。汪植は表立って動くことができないため、単身で役所に乗り込む唐泛だったが、黄景隆は唐泛による訴えにも怯まない。そこへ、火事で死んだと思っていた囚人たちが現れる。黄景隆は汪植の偽者を切り札として使うが…。
第11話あらすじ
吉安の事件を解決した隋州が朝廷から褒美をもらうことに嫉妬した錦衣衛の指揮使・万通(ばんつう)は、隋州の部下・薛凌に怒りの矛先を向けようとする。薛凌を守るため、隋州は全ての功績は万通に帰すと明言する。機嫌を直した万通は、重臣の子息が誘拐された事件の捜査を隋州に指示する。その頃、都で発生した誘拐事件が宮中でも大きな騒ぎとなり、汪植も成化帝から徹底的に調べるよう命じられる。表では隋州、裏では汪植と二手に分かれて捜査が進むが…
第12話あらすじ
唐泛が幼児誘拐事件について調べている頃、汪植の案により囮となった冬児が隙を突かれて人買いに連れ去られてしまう。汪植は物乞いの子供たちを集めて冬児捜しを命じ、ドゥルラとウユンプラガは手がかりを得ようと街で善行を施す朱(しゅ)大善人と呼ばれる皇族に援助を頼みに行く。その頃、城門で検問を行っていた薛凌は、万泰(ばんたい)の店主・銭泰(せんたい)から、検問を受けずに城門の外に出られるよう賄賂を渡されていた。この行為を不審に思う隋州だが…
第13話あらすじ
人買いから逃げ出した冬児が、再び捕まりそうになった間一髪のところに隋州が現れ、冬児は無事に救出される。一方、万泰茶舗の店主・銭泰の潜伏先を突き止めた汪植は、部下たちとともにその屋敷に踏み込んでいた。だが、銭泰が汪植に応対している間に黒幕は抜け穴から逃走し、銭泰もまた服毒自殺を図り、捜査は暗礁に乗り上げてしまう。その頃、誘拐事件が一段落した都では、しばらく鳴りを潜めていた連続婦女殺人事件の犯人が再び動き始めていた。
第14話あらすじ
唐泛と隋州は民に善行を施す“皇室の光” 朱見謀(しゅけんぼう)に会いに行くが、ドゥルラの消息はつかめずにいた。ウユンプラガが突き落とされた崖の上で、またしても左右異なる足跡を発見した唐泛は、ドゥルラが殺人犯に捕まったと推測し、牢にいる裴淮に時間を稼ぐための協力を依頼する。一方、皇太后から縁談を勧められた隋州は、余家の長男・余正鵬(よせいほう)に会うため歓意楼を訪れるが、父親を死に追いやった汪植を恨む正鵬は、酒に酔って暴れ出し…。
第15話あらすじ
部下を引き連れた隋州は、郡王・朱見謀の屋敷を無断で捜索しようとするが、それを知った万通が駆けつけて朱見謀に謝罪する。隋州は、王府から連れ出され万通から叱責されるが、唐泛の安否を心配し、仕方なく汪植を訪ねることにする。隋州は王府を捜索して唐泛を救い出すよう汪植に頼み込むが、汪植は容疑者が皇族であるため協力できないと突っぱねる。その頃、郡王府の密室に設けられた牢の中では、唐泛の目の前で朱大善人がついに本性を現し…。
第16話あらすじ
通州(つうしゅう)に左遷となった唐泛は、姉・唐瑜(とうゆ)の婚家である賀(が)家を訪れる。ところが幸せに暮らしていると思っていた唐瑜は夫・賀林(がりん)や義父母から虐げられていた。夫の目に余る態度に離縁を決意した唐瑜は、唐泛の家へと身を寄せるが、義母の手によって息子の澄(ちょう)を奪い去られてしまう。一方、縁談相手である余家の末娘を訪ねた隋州が、異変に気付いて門を開けると、屋敷内には惨殺された一家の姿が。余家と確執のある汪植は、皇帝に呼び出されるが…。