ウェブ漫画原作の学園ものという枠にとらわれない、ドラマ界に新風を吹き込んだ力作。原作のキャラクターとキャストのシンクロ率が圧倒的で、非の打ち所がない、これ以上ないキャスティングでも視聴者を虜にした。また、“まさか、私が漫画の中の主役じゃなくてエキストラ？”と気がついたその瞬間から、シナリオを変えようと奮闘するダノの姿が切なく、この上なくチャーミングだ。そして、ハルを見つけたその日から、漫画よりきらめく恋が始まる…！ページの中と外が、ページをめくる音で切り替わり、前世、存在意義、哲学をも盛り込んだ予測不可能なファンタジーラブコメに仕上がっている。 自我に目覚め、ダノとハルが健気に切磋琢磨する姿は、幅広い層の視聴者のハートを鷲掴みに。映像も美しく、そして何より、原作ファンも納得の、キム・ヘユン、ロウン、イ・ジェウクら旬の俳優の熱演に心奪われる。

支持率を高めたのは、ダノとハル、ふたりの出会いが巻き起こす、爆発的な化学反応の相乗効果にもある。図書館や、キーワードのひとつとなる「凌霄花（ヌンソファ＝ノウゼンカヅラの花）」の下のふたりや、前世での渓谷の水辺の蛍のシーンなども、息を飲む美しさ。ドラマ放映後もファンの視線は熱く、数々の名だたる雑誌のグラビアなどでもふたりの特集が組まれた。 キム・ヘユンは「SKYキャッスル～上流階級の妻たち～」に続き、シャドウとステージの異なるキャラクターを、表情豊かで巧みに演じ分けた本作の演技力を高く評価され、一気にスターダムに。“2019年はキム・ヘユンの年”とも言われた。彼女は、映画『ミッドナイト』『ブルドーザーに乗った少女』（共に原題）への出演が控えている。また、本作が代表作となった、ハルを好演したロウンの人気も天井知らずになっている。マンチッナム（まるで漫画を破って出てきたような男子）の称号を独占、SF9のメンバーとしてアイドルデビューし、今年1月には、「Good Guy」でデビュー4年目にして悲願のチャート1位を獲得。三冠を達成するなど、飛躍の年となっている。

ダノを巡りテニス対決をするなど、ライバル意識に火がついたハルとギョンのふたり。ふたりの間で、すれ違い、揺れるダノ。100パーセントの視聴者が、切なく儚いハルに心奪われたのではないだろうか。ハル役のロウンは、次にウォン・ジナと「先輩、そのリップスティック塗らないで（原題）」の主演が決まっており、ギョンを演じたイ・ジェウクも次回作は、コ・アラと「ドドソソララソ（原題）」で初の主演が決まっている。また、こんな学校に通っていたらまったく勉強に集中できないのは確実なほど、今いちばん注目のふたりのルーキーに加え、脇を固める若手俳優たちもそれぞれ個性的で、見目麗くハマり役。第二のカン・ドンウォンとも呼ばれ、快進撃が続く新人キム・ヨンデは、イ・ジェウクとともに「天気がよければ会いにゆきます」にキャストされ、次回作は、『パラサイト 半地下の家族』のチョ・ヨジョンとの「浮気したら殺す（原題）」が決まっている。チョン・ゴンジュも、本作ののち、チャン・ナラとのラブコメ「オー・マイ・ベイビー（原題）」でも目立った。また、「賢い医師生活」にもキャスティングされた、ギョンの義弟役で“3秒ボゴム”とも呼ばれるぺ・ヒョンソンにも注目だ。

グイグイと不思議な世界に引き込まれる深みのある脚本と、キャストの絶妙な熱演が相まって、昨年の演技大賞では受賞ラッシュとなった。「2019MBC演技大賞」ではキム・ヘユンが女性新人賞と水木ドラマ部門優秀女優賞、男性新人賞をロウンとイ・ジェウクが共に獲得。視聴者が選んだ今年のドラマ賞も勝ち取るなど、他の学園ものとは一線を画す異色作に。ドラマ話題性ランキング１位※という結果が示すように、SNS世代を中心に幅広い層に支持された。イ・ジェウクは本作の演技で、権威ある第56回百想芸術大賞で新人賞にもノミネートされ、演技派として一目置かれる存在となった。また、ドラマ挿入歌OSTもチャートを賑わせ話題に。キャストのナウンの所属グループAPRIL「Feeling」、VERIVERY「My Beauty」 、Stray Kids「終わらない物語」など人気グループの楽曲も物語を彩っている。